大寒の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！

2022年6月5日2023年1月10日はがき・手紙のマナー

手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶に「大寒の候」があります。

真冬の寒さを連想させる言葉ですが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう！

 

読み方や意味を理解しておけば、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。

大寒の候の使い方として季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

 

文書等の締めとなる「結びの挨拶」とともにセットで覚えておくことをオススメします。

そこで今回は、大寒の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！というテーマでご紹介します！

 

大寒の候を使う時期はいつ？

大寒の候を使う時期は、例年1月20日頃～2月3日頃です。

1年を24等分の季節の分けた二十四節気の「大寒」の期間で、約15日間となります。

 

以下に、旧暦の冬を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう！

季節		二十四節気		旧暦月	新暦初日
冬	初冬	19	立冬	10月節	11月7日頃
		20	小雪	10月中	11月22日頃
	仲冬	21	大雪	11月節	12月7日頃
		22	冬至	11月中	12月22日頃
	晩冬	23	小寒	12月節	1月5日頃
		24	大寒	12月中	1月20日頃
春	初春	1	立春	1月節	2月4日頃
		2	雨水	1月中	2月18日頃

※二十四節気の順番は立春（1番目）を基準としています。

二十四節気（旧暦）の冬は「初冬・仲冬・晩冬」の3つの季節（三冬）に分けられています。

その中で「大寒」は晩冬の後半にあたり、立春から数えて24番目（最後）に巡ってくる節気（中気）です。

 

大寒の候を使える時期は、この晩冬の後半に限定されます。

次の節気となる2月4日頃の「立春」を迎えると、暦の上では新しい1年の始まりを意味します。

 

二十四節気が一巡して最初（初春の前半）に戻り、大寒の候を使う時期から外れてしまいます。

そのため、前日（節分）までの使用にとどめておきます。

 

大寒の候に限らず、二十四節気を含む時候の挨拶は該当する節気の期間のみ使用可能です。

カレンダー等で、節分の日を確認しておけば誤用する心配もありませんね！

大寒の候の読み方は？

大寒の候の読み方は「だいかんのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。（※一部例外もあります）

 

大寒単体でも訓読みにすることはなく、「だいかん」として俳句の晩冬の季語に使われています。

そもそも二十四節気の1つなので、「おおさむ」と読み間違えることも少ないですよね。

 

また、「候」は「そうろう」「さぶら（う）」「うかが（う）」「ま（つ）」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

大寒の候の意味は？

大寒の候は「暦の上では大寒の季節を迎えましたが…」という意味です。

二十四節気の「大寒」は、「1年で最も寒さが厳しい頃」を表しています。

 

1つ前の節気「小寒」と合わせて「寒（かん）」「寒の内」などと呼ばれていますよね。

とくに「大寒」は凍てつくような極寒をイメージさせる時期ですが、ただそれだけではありません。

 

「立春」になると「寒の明け」と呼ばれ、暦の上では待望の初春を迎えます。

旧正月とはまた別物ですが、昔の人々にとっては1年の暮らしの始まりとされていました。

 

そのため、大寒の候には「最も寒い時期でありながら、待望の春が目前に控えている」といったニュアンスが含まれています。

また、「候」は暑さ寒さといった気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

大寒の候の使い方の例文と結び！

では、大寒の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状やビジネスレターに分けてまとめていますので、「結びの挨拶」と合わせて参考にしてくださいね！

 

漢語調の時候の挨拶の前提として「大寒の候」「大寒の折（おり）」「大寒の砌（みぎり）」のどれを使ってもOKです。

口語調（和文調）の挨拶よりフォーマルな印象が強く、主に改まった相手に使われる傾向もあります。

季節の挨拶状の例文と結び！

【書き出し】

• 拝啓　大寒の候、皆様お元気でお過ごしのことと存じます。
• 拝呈　大寒の候、皆様にはますますご清祥のことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 啓上　大寒の候、皆様にはいよいよご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。
• 謹啓　大寒の候、皆様ますますご清適にてお過ごしの段慶賀の至りに存じます。
• 恭敬　大寒の候、貴家ご一統様にはご清栄の御事慶祝の至りに存じます。

 

「皆様におかれましては」の省略形「皆様」「皆様には」でも失礼にはあたりません。

「～のことと」の代わりに「～の段」「～の由」「～の趣」「～の御事」なども使えますよ！

 

【結び】

• まだ厳しい寒さが続くようでございます。何卒ご自愛専一にてお過ごしください。敬具
• 酷寒のみぎり、風邪など召されませんよう、お祈り申し上げます。かしこ
• 厳冬の折、皆様くれぐれも無理をなさらず、体調管理にご留意くださいませ。敬白
• 本年も何卒お付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。拝具
• 本年もご家族様にとって幸多き年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。謹言

 

書き出し同様、結びの挨拶にも相手の健康を気遣う言葉を入れておきましょう！

年賀状などで新年の挨拶ができていない場合は、寒中見舞いなどに含めるとよいですね。

 

また、冒頭の頭語と最後の締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。

	頭語	結語
一般的な例	拝啓・拝呈・啓上・啓白	敬具・拝具・敬白・かしこ（女性のみ）
改まった例	謹啓・謹呈・粛啓・恭敬	謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ（女性のみ）

（※同じ行であればどの組み合わせでもOKです）

「拝啓」でも十分ですが、「謹啓」「謹呈」などはより改まった印象になります。

ビジネスレターの例文と結び！

【書き出し】

• 拝啓　大寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
• 拝呈　大寒の候、貴社いよいよご盛栄のことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 啓白　大寒の候、貴社にはいよいよご隆昌の段大慶に存じます。
• 謹啓　大寒の候　貴店におかれましては益々ご隆盛の段大慶に存じます。
• 恭敬　大寒の候　○○様にはいよいよご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。

 

ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使います。

取引先の個人宛の場合、私的な季節の挨拶状と内容に大差はありません。

 

【結び】

• 今後ともより一層のご高配を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。取り急ぎ、ご挨拶まで。敬具
• これからも末永くご厚誼を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。末筆ながら、ご挨拶申し上げます。拝具
• 厳冬の折、貴社ますますのご隆盛を祈念致します。略儀失礼ながら、書中にて厚く御礼申し上げます。敬白
• 本年も引き続きお引き立てを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。謹言
• 本年も変わらぬご愛顧賜りますよう、社員一同心よりお願い申し上げます。誠に略儀ではございますが、お礼かたがたご挨拶申し上げます。謹白

 

ビジネスレターの結びには「今後のご愛顧」や「相手の会社の発展」を祈願する言葉を入れます。

どちらかというと堅い文章の方がかしこまった印象になりやすいと思われます。

大寒の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！のまとめ