チョコレートが溶ける温度!生チョコやコーティングチョコは?
カカオの風味豊かで、子どもから大人まで大好きなスイーツの代表格ともいえるチョコレート。
溶ける温度はどれくらいなのか気になったことはありませんか?
夏の暑い日に開封して食べようとしたら、ドロドロに溶けて原型をとどめていないことも珍しくありませんよね。
柔らかくて滑らかな口溶けのよい生チョコや、高温に強そうなコーティングチョコレートもどれくらいの温度で溶けるものなのでしょうか…。
チョコは温度変化に弱いデリケートな一面もありますので、高温になりやすい車の中や直射日光、冬の暖房なども注意したいですね。
そこで今回は、チョコレートが溶ける温度!生チョコやコーティングチョコは?というテーマで詳しくご紹介します!
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チョコレートが溶ける温度!
市販されている一般的なチョコレートの場合、溶ける温度は28℃以上といわれています。
パッケージ裏面の保存方法の欄に「28℃以下の涼しいところに保存してください」と記載されているのはそのためです。
ただし、チョコレートは原材料により「ビター(ダーク)」「ミルク」「ホワイト」の3種類に大別されるため、正確には「27℃~31℃」と多少の誤差があります。
この誤差が生じるのは「溶けやすい成分の比率」によるものですが、チョコレートの場合は主にカカオ豆から抽出されるココアバターの比率であり、粉乳やその他の添加物も影響しています。
下記の原材料を知ることで、正確に溶ける温度を予想することも可能です。
【チョコレートの原材料】
- カカオマス
- 砂糖
- ココアバター
- 粉乳
「その他の主な添加物」
- 植物性油脂
- 乳化剤
- 香料
- 甘味料
カカオ豆の40~50%を占めるココアバターは脂肪分100%で、豆の種類によっても異なりますが、融点(溶け始める温度)は32~36℃といわれています。
チョコレートを手の平にしばらく置いておくだけでベタッとくっつくのは、体温より低い温度で溶け始める証拠でもあります。
このココアバターが多く含まれるものほど低い温度で溶けやすく、逆に少ないものは溶けにくいという考え方が一般的です。
ただし、チョコレートには粉乳が使用されることが多く、粉乳に含まれる乳脂肪分の融点はココアバターより低くなっています。
さらに、添加物として含まれることの多い植物性油脂の融点はココアバターより高くなっています。
ココアバターより低温でも溶けやすい粉乳内の乳脂肪分や、溶けにくい植物性油脂が含まれることも、チョコレートが溶ける温度に影響を与えることを考慮する必要があります。
大まかな目安はココアバターの量や比率で決まりますが、粉乳や植物性油脂の存在も無視できませんね。
では、「ビター(ダーク)」「ミルク」「ホワイト」の種類別の特徴と溶ける温度を見ていきましょう!
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ビターチョコレート
- 溶ける温度:気温約30~31℃以上
- ココアバター含有量:約10~15%前後
ビターチョコレートは、カカオマスにココアバターと微量の砂糖を加えて練り固めたものです。
砂糖の量が少なくカカオマスの含有量が最も多いため、よりビターテイストの強いカカオの風味を楽しむことができます。
ココアバターの比率が最も少ないため、溶ける温度がやや高くなります。
メーカーにより「ダークチョコレート」「スイートチョコレート」と呼ばれることもありますが、カカオ100%のプレーンチョコレートもあります。
ミルクチョコレート
- 溶ける温度:気温約29℃以上
- ココアバター含有量:約15~20%前後
ミルクチョコレートは、カカオマスにココアバター、砂糖、粉乳(乳成分)を加えて作ります。
乳成分が含まれる分カカオマスの含有量が減るため、色が黒から茶色に変化し、ミルクの味わいが強く感じられます。
ビターよりココアバターの比率が高くなり、さらに粉乳が含まれるため、溶ける温度もやや低くなります。
ビターと同様、メーカーでは万全を期して「28℃以下で保存」としていることが多いですね。
ホワイトチョコレート
- 溶ける温度:気温約27℃以上
- ココアバター:約30~40%前後
ホワイトチョコレートは、ココアバターと砂糖、粉乳のみで作られています。
カカオマスを一切使用しない分、色が真っ白で甘味も強いのが特徴です。
もちろんココアバターと粉乳の比率が最も多くなるため、ビターやミルクに比べると溶ける温度も低くなります。
ホワイトチョコレートを焙炉に入れっぱなしにしておいたところ、高温になり過ぎて偶然黄金色に染まったという「ブロンドチョコレート」が現在注目を浴びています。
ビター・ミルク・ホワイトの3種類をご紹介しましたが、気候が暑い東南アジアや湿気の多い日本のチョコレートは添加物を加え、溶けにくい工夫がしてあります。
ココアバターの代用油脂として植物性油脂も使用することがほとんどで、チョコレートが溶ける温度もメーカーにより多少高く設定されています。
また、メーカー側では準チョコレートを使用したチョコレート菓子なども、大抵「28℃以下で保存」と記載しています。
カカオマスや砂糖、粉乳の他、様々な添加物の融点にも違いがありますので、チョコレートが溶ける温度はココアバターの融点とは誤差が生じます。
テンパリングの融解温度とは異なる!
チョコレートに含まれるココアバターの結晶を安定化させる温度調整を「テンパリング」と呼びます。
その際、融解温度という言葉が使われることが多いですが、これはチョコレートが溶ける温度とは異なります。
主に45~50℃まで温度を上げる工程になりますが、ココアバターの結晶を一度崩すための作業で、湯煎などでドロドロに液状化する温度を融解温度と呼んでいます。
もちろん28℃前後でチョコレートは溶け出しますので、意味が異なることはすぐにお分かりいただけると思います。
ちなみにテンパリングを行うことで、光沢があって滑らかな口あたりの美味しいチョコレートを作ることができます。
また、チョコレートが白くなるブルームという現象を抑えることも可能です。
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生チョコレートが溶ける温度は?
生チョコレートとは、柔らかく滑らかな食感を生み出すため、チョコレート生地に生クリームや洋酒などを混ぜて固めたものを呼んでいます。
一般的なチョコレートとは水分量が大きく異なるため、溶ける温度も低くなっています。
ちなみに、日本の公正取引委員会では下記の定義を設けています。
【生チョコレートの定義】
- チョコレート生地の総重量が40%以上の加工品
- クリームの量が総重量の10%以上
- 水分量(クリームの分も含む)が総重量の10%以上
生チョコレートが溶ける温度は明記されていないことが多いですが、「常温保存」が可能とされています。
では、「常温とは何度?」というお話になりますが、化学や医薬品、微生物に関する定義や、それに付随する規格や法律などが絡んでおりハッキリしていません。
食品衛生法の食品衛生検査指針によると「常温=15~25℃」とされていますので、生チョコレートの場合はこちらを採用するのが妥当かと思われます。
実際に検証を試みたテレビ番組を観ましたが、室温25℃未満の部屋では溶けることはありませんでした。
常温保存が可能という観点からも、生チョコレートが溶ける温度は25℃以上ということになりそうです。
ただし、実際には「長持ちする」という理由から冷蔵保存を選ぶ人が多いようで、確かに常温保存だと腐敗の心配が出て来ます。
生チョコレートは生クリームや水分量が多いため「早く傷みやすい」という点も配慮しておく必要があります。
生クリームは腐敗とほぼ同じメカニズムの発酵によりツノが立つくらい固まりますし、さらに酸化しやすいという特徴もあります。
最悪、「腐って食べられないこと」などを考慮すると、常温保存より冷蔵保存にした方が衛生的にも相応しいと思われます。
生チョコレートに限っては、溶ける温度と保存する温度を別物として考えるべきかもしれませんね。
ロイズの生チョコレートは溶けやすい!
生チョコレートの有名ブランドといえば、やはり「ロイズ」ですよね。
公式サイトには生チョコの誕生秘話なども記載されており、試行錯誤の上1995年に通年販売を開始されたようです。
人気の秘密はその柔らかさにありますが、生クリームや洋酒などを合わせた水分量が総重量の17~18%もあり、他社製の生チョコレートより溶けやすいという特徴もあります。
ロイズでは夏場でも溶けないように商品はクール便にて発送されていますし、品質を落とさないよう「保存温度は10℃以下」と明記されています。
ロイズの生チョコレートは極上の柔らかさを実現するため、水分量を限界まで増やしていますので溶ける温度は10~15℃の範囲だと予想されます。
残念ながら実際のデータはありませんが、他社の製品より溶けやすいのは確かですね!
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コーティングチョコレートが溶ける温度は?
コーティングチョコレートとは、溶けやすいチョコレート菓子の周りなどをコーティングするためのチョコレートをいいます。
フランス語では「パータ・グラッセ」と呼び、ご家庭でもバースデーケーキやクッキーなどに利用する方も多く、パリパリとした食感に仕上がりますよね。
様々なお菓子に「ツヤツヤとした保護膜」を作るような形で使用されており、溶ける温度も高めに調整してあります。
コーティングチョコレートは、チョコレート生地上の分類では「準チョコレート」に属し、主な成分は下記の通りです。
【準チョコレートの成分】
- カカオ分15%以上
- ココアバター3%以上
- 脂肪分18%以上
- 水分3%以上
「純チョコレート」「チョコレート」の場合、カカオ分35%以上、ココアバター18%以上とされていますので、違いは明らかですよね。
コーティングチョコレートはカカオ分が少ないため香りが少なく、ココアバターも少ないため溶けにくいという特徴もあります。
また、硬さも調節できますが、比較的柔らかいものでも溶ける温度は30℃~32℃以上とされています。
家庭で使用する際は、50℃の温度に溶かしてそのままコーティングに使えますので、テンパリングという面倒な作業を省くことができます。
コーティングチョコレートが溶けにくい理由としては、ココアバターの量が3%以上と少ないことや、代用油脂として「硬化油(こうかゆ)」という特殊な油が使用されているためです。
硬化油によりチョコそのものの融点も上がりますので、溶ける温度が高くなるメリットがあります。
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チョコレートチップが溶ける温度は?
チョコレートチップとは、ご家庭でクッキーやケーキ、マフィンなどを作る際によく使用されるミニサイズのチョコレートのことです。
一般的には「チョコチップ」という名で親しまれ、現在ではピーナツバター、ストロベリー、ブルーベリーなど様々なフレーバーが楽しめます。
主に焼き菓子に利用されるため、普通のチョコレートよりココアバターの量を少なく抑え、溶ける温度も最も高く調整してあります。
クッキーなどの生地に混ぜた場合でも、焼いた時に形状を保つための工夫がされているのです。
チョコレートチップに使用しているフレーバーによっても異なりますが、一般的なチョコレート味の場合、溶ける温度は35℃以上とされています。
もちろんクッキーなどは180℃に熱したオーブンで焼いて行きますが、小麦粉を使った生地の方が早く固まり出すため、チョコレートチップが移動したり、マーブル模様になることもありません。
ホワイトチョコレートを使用したもので45℃、ブラックチョコレートを使用したものは50℃ほどで焦げてしまうこともあります。
また、オーブンから取り出したばかりの焼きたてのクッキーなどの場合、チョコレートチップはドロドロに溶けていることもありますので、すぐに食べて火傷しないように注意しましょう!
チョコレートが溶けやすい車の中は注意!
車の中に箱入りのチョコレートを置いていたら、ドロドロに溶けてしまって食べる気が失せてしまった経験はありませんか?
チョコレートは非常に熱にデリケートな食べ物で、特に温度や湿度の上昇は天敵になります。
比較的温暖な春や秋でも、車の中はチョコレートが溶けやすい環境のワースト1位といっても過言ではありません。
特に外気温自体が高くなる初夏から夏場は要注意で、5月末でも炎天下に駐車していた車内温度が70℃以上に達することもあるのです。
当然、直射日光が当たるダッシュボード上は、さらに温度が上昇すると考えておく必要があります。
チョコレートが溶ける温度をはるかに超えてしまいますので、ドロドロの液状になって車のシートや着ている服なども汚してしまいますよね。
3月くらいでも、車の上に屋根が無く直射日光を浴びている場合、車内温度が30℃を超えても不思議ではありませんので注意したいですね。
密閉された空間である車内は、ガラス越しに空気が温められて異常に気温が上昇することをお忘れないようお願いします。
また、冬の暖房もチョコレートが溶けやすい原因になりますので、買い物から帰る時などはなるべく風が当たらない場所に置いておきましょう。
ダッシュボードの中に入れておくと車検証などの重要書類もベトベトになることがありますので、併せて注意しておきたいですね!
直射日光や暖房が直接当たる場所も注意!
チョコレートの保存場所としては、常温で涼しい場所を選んでおけば問題無いと思われます。
※もちろん、真夏の猛暑日や生チョコレートの場合は例外になります。
キッチンの戸棚など、コンロや電子レンジ、ストーブなどの影響を受けない所であれば、まず溶けることはありません。
最も気を付けたいのが直射日光の当たる場所に置いておくことで、パッケージ内に熱がこもって溶け始める原因となります。
ドロドロにならなかったとしても品質が劣化して、風味や味に悪影響が出てきます。
チョコレートに限ったことではありませんが、食品を直射日光の当たる場所に置いておくのは危険ですね!
また、冬の暖房もチョコレートが溶ける原因になりますが、直接風が当たらなければ溶ける温度に達しないことがほとんどです。
今のエアコンは室内の温度がリモコンなどに表示されますので、28℃を超えていなければ溶けることもないでしょう。
サーキュレーターなどで風を循環させると、暖房の風がチョコレートを溶かしてしまいますが、その場合は他の気温が低い場所に移すようにしておくとよいですね。
本来、常温保存が基本とされていますが、品質の劣化が気になる方は冷蔵保存を選んでも良いかと思われます。
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チョコレートが溶ける温度!生チョコやコーティングチョコは?のまとめ
チョコレートにも様々な種類がありますが、一般的な板チョコなどが溶ける温度は28℃前後です。
厳密にいえば多少の誤差はありますが、保存する際の目安になりますね。
ココアバターや粉乳の比率が多ければ低い温度でも溶けやすいですし、逆に植物性油脂を多く含むものは溶けにくくなっています。
ただし、生チョコレートは生クリームや水分量が多いため、もっとデリケートに扱う必要が出てきます。
コーティングチョコレートを使用したお菓子なども、直射日光や真夏の気温には耐えきれず溶けてしまいますので、常温で涼しい場所に保存するのが一番ですね。
買い物帰りの車の中などは見落としがちですので、保冷バッグなどを購入しておくと便利に使うことができそうです。
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