チョコレートが白くなる理由はカビ?ブルーム現象なら食べられる?
市販のチョコレートを食べようとしたら、表面が白くなっていたということはありませんか?
大抵は購入してから時間が経ったものに多く見られますが、理由はカビではないかと思いがちですよね。
もちろん、その可能性も完全否定はできませんが、実はチョコレートが白くなるという「ブルーム現象」が起きていることも珍しくありません。
名前だけは聞いたことがある人も多いと思いますが、安心して食べられるのか気になりますよね。
冷蔵庫で冷やしておいたり、バレンタインの時期に手作りしたものにもよく起きる現象のようです。
そこで今回は、チョコレートが白くなる理由はカビ?ブルーム現象なら食べられる?というテーマで詳しくご紹介しますね!
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チョコレートが白くなる理由はカビ?
残念ながら、チョコレートが白くなる理由の1つにカビが挙げられます。
といっても、一般的な板チョコなどの場合はごく稀な現象であり、「保存状態が劣悪」「購入から長期間経過」などの条件が絡むことがほとんどです。
少なくとも未開封で冷蔵庫などに保存しておいたものが、カビによって白く染まってしまうことはまず考えられません。
チョコレートの原料は、主に「カカオマス」「砂糖」「ココアバター」「粉乳」ですが、その他「植物性の油脂」「甘味料」「香料」「乳化剤」なども含まれています。
長期保存に向いている砂糖が多めに使用してありますし、板チョコの場合は水分が3%以下しかありません。
しかし、カビの胞子が繁殖しやすい環境下の場合、チョコレートの表面に付着・繁殖して白くなる現象を起こす理由になるのです。
一般のご家庭の室内の場合、カビの胞子は常に空気1m³中に数個~数千個ほど浮遊しています。
そして、気温が5℃~35℃の条件下では、付着したものから栄養や水分を補給して成長・繁殖を続けます。
プレーンチョコレート(ビター・ブラック・ダークなどとも呼ぶ)の場合、カビの養分になるものが少なく比較的安全ですが、添加物の多いものほど危険度も高まります。
特に、菌が繁殖しやすい生クリームを含むガナッシュ・生チョコを使用したボンボンショコラ(一口サイズのトリュフ等)などの表面が白くなる現象が起きたら、カビを疑う必要があります。
その他、市販されているハイミルクチョコレート、チョコクッキー、ガトーショコラといった菓子類も添加物が多く含まれますので、いつもより白っぽく見えたらご注意くださいね!
チョコレートにカビが生えた時の特徴
カビの種類は年々増え続け、すでに5万種を超えたともいわれています。
チョコレートの表面が白くなるという現象が起きたら、本当にカビなのか見た目や臭いなどの特徴をチェックしましょう!
少々食べてしまっても胃酸によって消化されるため健康を害することはありませんが、稀にアレルギー症状を引き起こすこともあります。
量や毒性によっては食中毒の原因にもなりますので、下記のチェック項目で食べられるか判断してくださいね。
【チョコレートに生えるカビの特徴】
- 白くなる部分が万遍ではなく一部に集中している
- 白い粒が広がっていても凹凸が大きく見える
- ふわふわとした綿毛状の菌糸が生えて見える
- 青や緑色っぽい部分があれば青カビの可能性大
- お餅などのカビと同様に独特の異臭がする
- チョコレートより黒い部分があれば黒カビの可能性も
チョコレートに生えるの大抵「白カビ」で、表面に綿毛上の菌糸で作られたコロニー(円形の塊のようなモノ)を形成することが多いです。
また、中心が緑色をしていて周りが白く見えることもありますが、青カビの一種と思われます。
明らかにドス黒い色をしている場合、黒カビの可能性が高いため即捨てるようにしてくださいね。
チョコレートの色に似ていて見分けづらい時は、臭いを嗅いでみて異臭がするか確かめてみましょう。
いずれにしても「青臭い」「鼻にツンと来る」「嗅いだことのない臭いがする」などの特徴があれば、カビまたは腐敗の可能性が高いため、食べない方が安全です。
チョコレートが白くなる理由は他にもありますが、「ご自身で判断できない」「カビのようで疑わしい」というケースも廃棄処分した方が得策ですね。
2019年8月、無印良品のブラウニー3種類にカビが見つかったことで、3万個を自主回収される事態に発展したこともあります。
異例ではありますが、製造の段階でカビの胞子が混入して繁殖することも念頭に置いておきましょう!
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チョコレートが白くなる理由はブルーム現象!
カビの他に、チョコレートが白くなる理由の1つに「ブルーム現象」が挙げられます。
英語の「bloom(咲く、開花する)」に由来する言葉で、チョコレートに白い花が咲くように見えることから名付けられています。
あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、賞味期限とは無関係で、主に温度、湿度が関与して起こる現象です。
チョコレートの原材料には砂糖やココアバターが使用されているため、一度高温により溶けたものが再び冷え固まると表面が白くなることがあるのです。
ブルーム現象には2種類ありますので、以下にご紹介しておきますね!
ファットブルームとは?
ファットブルームとは、チョコレートの原材料の1つであるココアバターが関与する劣化現象で、主に高温により溶け出した後に表面が白くなることを呼んでいます。
英語で「fat」は脂肪を意味しており、油という表現を用いて「オイルブルーム(Oil bloom)」と呼ばれることもあります。
チョコレートが白くなる理由の中でも最も多い現象になりますが、製造段階では均一に保たれていたココアバターが溶け出し、表面に浮き出るように移動して再結晶化したものです。
ドロドロではなく軽く溶けたチョコレートでもココアバターが他の原料と分離してしまいますので、綺麗に結晶を作っていたものが再結晶化すると見た目も悪くなります。
ココアバターはカカオ豆の約40~50%を占める脂質100%の成分で、28℃前後で溶け出しますので高温や急な温度変化に弱い一面を持っています。
ファットブルームの主な発生要因は以下の通りです。
【ファットブルームが起こる理由】
- 気温が高い所に保存していた
- 「室内で食べては冷蔵庫に保存」という温度変化を何度も繰り返した
- 購入して家に持ち帰る時に溶けかけたものが再冷却され凝固した
- スイーツ専門店などの場合、テンパリングが上手くできていなかった
まずチョコレートにブルーム現象が起きることを知らなければ、カビだと思って捨てることも多くなります。
見た目の特徴も様々ですが、下記にまとめておきますね!
【ファットブルームの特徴】
- チョコレート全体が白い膜に包まれたように見える
- チョコレート本来のツヤが失われる
- 表面が白い粉を吹いているように見える
- 表面全体に白いツブツブが広がっている
- カビのように一部ではなく全体的に白くなっている
- チョコレート本来の色の部分がクレーターのように見える
- 板チョコなどを割ってみても断面の見た目が悪くなっている
- 臭いを嗅いでも普段と変わらない
- 手で触れてみると熱によって結晶が見えなくなる
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シュガーブルームとは?
もう1つのブルーム現象をシュガーブルームといいます。
名前の通り、チョコレートに多く含まれる砂糖が関与するもので、主に湿度(水分)が影響して表面が白くなることがあります。
冷蔵庫に入れておいたチョコレートをすぐに開封すると、急激な温度変化により周辺の空気中の水分(湿気)が結露して表面に水滴を作ります。
砂糖はその水滴を吸収して溶け出しますが、その後一定時間食べずにいると水分だけが表面から蒸発し、砂糖だけが残って結晶化することになります。
シュガーブルームの主な発生要因は以下の通りです。
【シュガーブルームが起こる理由】
- 冷蔵庫から取り出してすぐ暖かい部屋で開封する
- その他の急激な温度変化により起こる
- 高温多湿の所に保存しておいた
- 誤ってお茶やジュースなどの水分が混入する
- チョコレートに微量に含まれる水分が結露して起こる
- チョコレートコーティングの水分により発生する
食べる部屋の湿度なども影響しますし、保存場所なども注意しなければなりませんね。
また、完全にファットブルームと見極められるとは限りませんが、見た目の特徴も以下にまとめておきますね!
【シュガーブルームの特徴】
- チョコレート表面にきめ細かい白い斑点ができる
- チョコレート本来のツヤも失われている
- 表面が白い粉を吹いたように見える
- 臭いに異常はない
- 手で触っても熱による変化がない
- 水を垂らすと変化が見られることがある
- 完璧にファットブルームと見極めるのは困難
冷蔵庫で冷やすと起こりやすい!
2種類のブルーム現象が起こる要因を見ると「温度変化」が引き金になることが多く、チョコレートを冷蔵庫で冷やすと起こりやすくなることがわかります。
ファットブルームの場合、夏の暑い時期や冬の暖房の効いた部屋で溶けてしまったものを再冷却・再凝固することで発生しやすくなるため、ココアバターが表面で再結晶化することに繋がります。
もちろん28℃以下の部屋に置いておいても溶けたチョコレートは凝固しますので、室内の寒暖の差なども影響しています。
また、シュガーブルームの場合、空気中の湿気が主な要因となるため、冷蔵庫で冷やすことで発生することが多くなります。
チョコレートの表面に結露による水滴が付着して白くなることがあっても、すぐに食べれば美味しくいただけます。
問題は冷蔵庫で冷やしたものを開封し、全部食べ切れない時にブルーム現象の発生要因になることです。
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チョコレートが白くなっても食べられる?
チョコレートが白くなる理由がカビでなければ安全に食べられます。
カビの場合はアレルギー症状や食中毒を起こすため、ブルーム現象との見極めが重要になります。
ほとんどの場合、ファットブルームかシュガーブルームを起こしていることが多いのですが、その場合はココアバターや砂糖の結晶がいったん崩れ、表面に移動しているだけです。
原材料同士が分離していますが、成分的にほとんど変化していませんし、健康を害すようなことはありませんので食べられますよ!
もちろん前述した通り、冷蔵庫から取り出してすぐに結露を起こして白くなったチョコレートも、すぐに味や風味に変化することはありません。
量が少なければ、一気に食べ切った方が得策ですね!
ただし、注意しておきたいこともありますので、下記にまとめておきますね!
味や風味の劣化も!
2種類のブルーム現象を起こして白くなったチョコレートは味や風味が損なわれ、食べても美味しくないことがほとんどです。
ブルームとは劣化現象の1つですので、ある意味仕方の無いことといえます。
チョコレート本来のツヤも無くなって見た目も悪くなりますし、滑らかな口溶けとは行かずボソボソ・パサパサとした舌触りになってしまいます。
それでも「勿体ないから」という理由で食べるのはOKですが、あまりおすすめはできません。
チョコレートは口に含んだ時の熱によって徐々に溶け出し、カカオ特有の風味が広がるのも美味しさの1つですよね。
ただ、ブルーム現象により劣化したものは口の中でいつまでも残るようなイメージで、本来の美味しさを求めるのは難しいですね。
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手作りチョコレートが白くなる理由は?
バレンタインデーが近くなると、手作りチョコレートを用意する女性も多いと思います。
その際、テンパリングという作業を行うことになりますが、失敗するとチョコレートがブルームを起こして白くなる理由となります。
チョコレートの原料であるココアバターの結晶を安定させるために温度調整を行う作業で、口溶けが滑らかで風味豊かな美味しいチョコに仕上げるために必須とされている工程のことです。
主にボールを使った湯煎などで行いますが、最近では電子レンジなども利用する方法などが紹介されています。
テンパリングが上手く行かなかったものはココアバターの結晶が不安定でブルームを起こしやすい原因となりますし、舌触りも悪く風味を損なってしまいます。
手作りチョコレートを作る上で最も失敗例が多く、部屋の温度や湿度なども影響するため、素人では難しい一面もあります。
テンパリングの手順をしっかり踏んでいても、作業を行う部屋の温度や湿度により失敗することも多いです。
手作りチョコレートは主にブルームを防止するために行いますが、様々な面での配慮が必要になるため、逆にブルームを起こしてチョコレートが白くなる理由となってしまいます。
テンパリングの方法
手作りチョコレートの場合、ご家庭でテンパリングをすることによりブルーム現象を抑えることが可能です。
バレンタインチョコとして贈る際も美味しく仕上がりますし、凝固した際に白くなるのを防ぐことができます。
なかには「ただ溶かして再び固めているだけ」と思っている方も多いですが、光沢のある滑らかな口あたりの美味しいチョコレートになりますので、重要な作業となります。
ココアバターの結晶は温度によって形が変化しますので、最終的に凝固させた時に最良の結晶の形を形成するというイメージで行ってくださいね。
【テンパリングの手順】※チョコレートは300g~400g程度
- チョコレートを細かく刻み、ボールに入れる
- 湯煎にかけて50℃まで温度を上げていく
- 湯煎から冷水に切り替え28℃まで温度を下げる
- もう1度湯煎にかけて32℃まで温度を上げる
- あとは型に流して固まれば終了
※作業を行う部屋の温度は20℃くらいが最適です
注意事項としては、二度目の湯煎にかけた際にチョコレートの温度が36℃を超えてしまうと、ココアバターが綺麗な結晶を作ることができません。
そうなると、ブルーム現象を起こして白くなることが多く、見た目だけでなく風味や味にも影響を及ぼします。
もちろん最初からやり直すこともできますが、調理用温度計で慎重に温度を測りながら行いましょう!
また、湯煎の場合はチョコレートに水分が混入しやすくなりますので、注意する必要があります。
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チョコレートが白くなるのを防ぐ方法は?
チョコレートは非常にデリケートなお菓子で、熱による影響を受けやすくなっています。
ただし、ブルーム現象により白くなるのを防ぐ方法もありますので、ぜひ参考にしてくださいね
特に保存場所には細心の注意を払いましょう!
【チョコレートが白くなるのを防ぐ方法】
- 直射日光の当たる場所に置いておかない
- 夏場に購入する際は保冷バッグなどを用意しておく
- キッチンのコンロや電子レンジなどの近くに置かない
- 冬の暖房の効いた部屋に置きっぱなしにしない
- 風通しの良い冷暗所で保存するのがベスト
- 湿気を寄せ付けないようにジップロックなどに入れて保存する
- 冷蔵庫に保存する場合は温度が高めの野菜室で
- 冷蔵庫に保存したものは30分ほど時間を空けてから開封する
全てを実践するのは難しいですが、気温が28℃を超えなければココアバターが溶け出すこともありません。
少なくともファットブルームを防ぐことができますので、チョコレートが白くなる現象も起こりにくくなります。
チョコレートの保存に適した温度は15~16℃、湿度は50%以下といわれていますので、ジップロックなどの保存袋に入れて冷暗所や冷蔵庫の野菜室に入れておくのが良さそうですね。
また、生クリームを含む生チョコやガナッシュを使ったチョコレート菓子はさらに熱に弱くなっていますので、冷蔵庫で保存するのがベストになります。
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チョコレートが白くなっても戻す方法はある?
時間が経過したチョコレートがブルーム現象を起こして白くなることは珍しいことではありません。
見た目が非常に悪い場合は捨ててしまう方も多いですが、元に戻す方法もちゃんとありますよ!
それは、手作りチョコレートの項目でご紹介したテンパリングを行うことです。
湯煎を行うのが面倒という場合は電子レンジを使う方法もありますが、温度調節機能が付いていないと逆に失敗しやすい原因になります。
ファットブルームであれば、凝固した時に白くなっている場合でも何度もやり直しが効きますが、シュガーブルームは繰り返すとチョコレート本来の味や風味が失われる可能性があります。
「捨てるのは勿体ない!」と思うようであれば、テンパリングを行って戻す方法を実践してみるのも良いですね。
尚、テンパリングを行えるのはプレーンチョコレートのみで、生クリームなどが含まれたものは残念ながら戻すことは不可能です。
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チョコレートが白くなった場合の利用法は?
白くなったチョコレートは他の料理などに加えて利用する方法もあります。
「捨てるのは勿体ないし、テンパリングも面倒!」という場合は、ぜひ試してみてくださいね!
【チョコレートが白くなった場合の利用法】
- 電子レンジで牛乳を温める際に加え、ホットミルクチョコレートとして飲む
- 食パンの上にのせてチョコトーストにして食べる
- コッペパンに切り込みを入れてチョコを挟み、オーブントースターで焼いて食べる
- クッキーやホットケーキを作る際に軽く湯煎したものを混ぜてお菓子に利用する
- カレー、ハヤシライス、ビーフシチューの隠し味に利用する
- チョコレートフォンデュにしてフルーツなどと一緒に食べる
ブルーム現象を起こしたチョコレートに害はありませんので、別の利用法を探してみるのもおすすめですよ。
他にもアイデア次第で様々な料理やお菓子作りなどにも使えそうですね!
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チョコレートが白くなる理由はカビ?ブルーム現象なら食べられる?のまとめ
チョコレートが白くなる理由には「白カビ」「ファットブルーム」「シュガーブル―ム」などがあります。
白カビの場合は、見た目や臭いなどでチェックして捨てるしかありません。
少しくらい食べても体に支障を来すことはありませんが、稀にアレルギー症状を起こしたり食中毒の原因になったりすることもあります。
疑わしいと思った場合は捨てた方が良いですね。
また、ブルーム現象の場合はココアバターや砂糖の再結晶が原因ですので、なるべく未然に防げるよう対策を考えておくとよいですね。
食べても人体に害はありませんが、チョコレート本来のツヤや美しい光沢なども失われ、味や風味も劣化しています。
手作りチョコレートの場合、上手にテンパリングをすると美味しく仕上げることができますし、バレンタインデーの時に株を上げることもできそうですね。
白くなったチョコレートを料理などに利用する方法もありますので、ご自身で工夫してみるのもおすすめですよ!
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